第10回 かぜやインフルエンザにかからないために (H20.11.16)
11月に入り、寒さが一層厳しくなりました。
みなさん、かぜなどひいてませんか?
寒くなると、首筋や肩が益々緊張し、腰も痛くなってきます。
くれぐれも保温に努めてくださいね。
さて、今回は毎年この時期に流行するかぜやインフルエンザについて、
その違いや予防法などをわかりやすくお話したいと思います。
1.かぜとインフルエンザはどこがちがうの?
かぜとインフルエンザの違いを次のようにまとめてみました。
① 正式な名称は?
かぜ:普通感冒
インフルエンザ:流行性感冒
② 感染ルートは?
かぜ:主に接触感染(患者さんの触ったものを触れた手で直接食べ物に触れて口に入れる)
インフルエンザ:主に飛沫感染(患者さんのくしゃみなどで飛び散ったつばきを吸い込む)
③ 感染から発病まではどれくらい?
かぜ:ゆっくり起こる(感染後5~7日で発病)
インフルエンザ:急激に発病し、全身症状を伴う(感染後1~3日で発病)
④ 初めに現れる症状は何?
かぜ:くしゃみ・鼻水・鼻づまり
インフルエンザ:強いさむけ・頭痛
⑤ 発熱の程度は?
かぜ:比較的低い
インフルエンザ:38~39℃の高熱
⑥ 頭痛の程度は?
かぜ:軽い
インフルエンザ:強い
⑦ 腰痛・関節痛の程度は?
かぜ:あっても軽い
インフルエンザ:強く痛む
⑧ 倦怠感はあるの?
かぜ:軽い
インフルエンザ:強い
⑨ 肺炎になる可能性は?
かぜ:幼児や老人以外はまれ
インフルエンザ:肺炎になる率が高い(特に高齢者)
⑩ 流行するのはいつごろ?
かぜ:11~2月
インフルエンザ:12~3月
⑪ ウイルスの好む場所はどこ?
かぜ:「低温」で「乾燥」した部屋
インフルエンザ:「低温」で「乾燥」した部屋
【東洋医学コーナー】
東洋医学では「かぜ」のことを風邪と呼んでいます。
風邪を予防するためには、体内の「正気」を充実させ、
容易に「邪気」を侵入させない体力を身につけることが大切とされています。
「正気」とは、風邪などの「邪気」を寄せ付けない免疫力のようなものです。
一般に元気と言われています。
東洋医学では、この「正気」は栄養のバランスのとれた食事と
新鮮な空気中の酸素を吸い込むことによって得られるとされています。
2.かぜやインフルエンザを予防するには?
かぜやインフルエンザの原因の大部分は、ウイルスの感染によるものですが、
このウイルスに効果のある薬は現在ありません。
かぜ薬というのは、かぜの症状、つまり発熱、頭痛、せきなどを
一時的におさえてやわらげる作用を持つ薬で、かぜそのものを治すわけではありません。
従って、かぜを治すのは、あくまで自分自身の体力(からだの抵抗力)です。
【通常の感染予防対策】
- 外出時には、感染予防とのどを冷やさないためにマスクを着用し、人ごみはなるべく避けましょう。
- 外出先から帰宅したら、お湯でうがいと手洗い、そしてできれば洗顔を励行しましょう。
- 食事は栄養バランスを考えたメニューを心がけ,体調を整えましょう。ビタミンCが予防には必須!
- 暴飲暴食や、夜更かしを避けて充分な睡眠を心がけ、体力維持に努めましょう。
- 気道の粘膜を保護するために,室内の湿度を適度に保ちましょう。
就寝時は、ハンガーにぬれタオルをかけておくのが効果的!
【インフルエンザの予防接種】
インフルエンザの流行時期は毎年1~2月がピークです。
予防接種の効果が現れるまで約2週間程度かかり、その効果が十分に持続する期間は4~5か月間とされています。
より効率的に有効性を高めるためには、11月下旬までに予防接種を受けるようにしましょう。
3.まとめ
もしも、かぜやインフルエンザをひいてしまったら、安静・保温・栄養の3原則を守り、早めにお医者さんにかかりましょう。
- 安静
外出を控え、温かい部屋でおとなしく休養するように心がけましょう。 - 保温
石油ストーブやガスストーブは水蒸気を発声させますが、電気の暖房機は部屋を乾燥させます。
加湿を忘れずに心がけましょう。 - 栄養
食欲がなくても、栄養のあるものを食べるように、そして温かい水分補給も忘れずに心がけましょう。
決して冷たいものを取らないようにしてください。
夜中に咳き込むような場合は、のどの周りにタオルを巻いて、温かくして寝ると楽です。
カゼはひきはじめが肝心ですから暖かくしてゆっくり休み、消化のよい栄養物をとりましょう。
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