第24回 ストレッチで健康な生活を (H22.4.25)

4月に入って、木の芽がふくらみ、小鳥のさえずる季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしですか?
1年の中で、この時期が一番気持ちいいですね。
こんな季節は、部屋の中でじっとしていないで、屋外に出て思いっきり身体を伸ばしてみませんか?
今回は、そんな身体を伸ばすためのストレッチについて、皆さんと一緒に勉強したいと思います。

 

1.ストレッチって何だろう?
いつも皆さんと一緒に、筋力トレーニングの前に行っている体操がストレッチです。
ストレッチとは、身体の筋肉の柔軟性を高め、関節の動く範囲を広げることを目的として、
硬く縮んだ筋肉を引っ張って伸ばすことをいいます。
これにより、筋肉内に多くの血液が流れるようになるだけでなく、様々な健康効果が期待できるのです。
筋肉が硬く縮む原因には、運動不足・精神的ストレス・過労・冷えなどがあります。
肩こりや腰痛なども、筋肉が硬く縮んだ状態です。

「運動不足・精神的ストレス・過労・冷えなど」 → 「血行が悪くなる」 → 「筋肉の緊張が高まる」 → 「肩こりや腰痛になる」
「ストレッチ」 → 「筋肉の緊張がゆるむ」 → 「血行が良くなる」 → 「肩こりや腰痛が楽になる」

ストレッチにも、いろいろな種類がありますが、今回は「静的ストレッチ」について取り上げることにします。
静的ストレッチとは、関節を動かして目的の筋肉をゆっくりと伸ばし、適度に伸びたところで、
その姿勢を適当な時間保持することを目的に行われます。
伸ばしている時間については、団体・学者により推奨する値が異なりますが、20秒程度を適当とする場合が多いようです。
ラジオ体操も種類は異なりますが、軽い反動をつけて身体を動かしながら行うストレッチの一つだと言われています。

 

2.ストレッチの効果 ~ 6つのポイント
人間の身体は、様々な原因によって筋肉が硬く縮んでしまうと、酸素や栄養素が筋肉内に取り込まれにくくなってしまいます。
そうなると、筋肉はますます硬く縮んで、その働きが低下してしまいます。
ストレッチは、筋肉を柔らかくほぐすことで、血液やリンパ液の流れを良くします。
血行が良くなれば、筋肉内に酸素や栄養素が取り込まれやすくなるだけでなく、体内の老廃物を排出する効果も高まります。
脂肪は酸素を取り込まないと、エネルギーに変えて消費することができません。
血行が良くなることで、ウォーキングなどの有酸素運動をしたときの脂肪燃焼効果(ダイエット効果)も期待できるのです。

次にストレッチの効果をまとめます。

① 全身の血行が良くなり、身体が温まる
寒いときにストレッチをすることで、血液の循環が良くなり、身体が温まります。
身体が温かくなるということは、様々な病気に対する免疫力が高まるということです。
また、老化の予防にもつながります。

② 身体が柔軟になり、けがの予防につながる
筋力トレーニングの前に行うことで、けがの予防になります。

③ 筋肉の緊張を和らげ、疲労回復を早める
血液の流れが良くなることで、筋肉の柔軟性が高まり、疲れを早く取り除く効果があります。

④ スムーズに動けるようになり、様々な仕事に対する対応力が高まる
関節の動く範囲が広がるため、いろいろな仕事がスムーズに行えるようになります。

⑤ プロポーションを保つ
全身の血行が良くなり、新陳代謝が高まることで、健康的で美しいスタイルを形成・保持することができるようになります。

⑥ 心身ともにリラックス(ストレス解消)
筋肉をほどよく伸ばし、伸びている感じを受けながら行うので、精神的・肉体的にリラックスすることができます。
就寝前に行うと、寝つきも良くなります。

ストレッチを行うことで、普段の生活にも、スポーツをするときにも、また、美容にも良い効果を得ることができます。
正しい方法で無理なく、楽しく始めてみませんか?

 

3.ストレッチを行う上での注意事項 ~ 7つのポイント
間違ったやり方では、逆に筋肉を傷めることにもつながりますので、注意点をあげてみます。

① ストレッチの前には、身体を動かして、ある程度身体が温まってから行うようにしましょう
冬場のように、寒いときは、身体の筋肉も硬く縮んでいます。
そんなときに、いきなりストレッチを行うとけがを起こすことがあります。
そんなときは、その場歩きを2~3分行って身体を少しでも温めてから行うとけがの予防につながります。

② 伸ばすときは息をゆっくり吐き出すようにし、伸ばしきったら呼吸は自然に行うようにしましょう
呼吸を絶対止めないようにしてください。息を止めると、余分な力が入ってしまうだけでなく、血圧を高めることにもつながります。

③ 痛みをこらえたり、反動やはずみをつけずに伸ばしましょう
反動をつけると、筋肉に余分な力が加わり、筋緊張や痛みを招く原因につながります。

④ 伸ばした姿勢は20秒持続させましょう
ストレッチは、筋肉をゆっくり伸ばして、伸ばした状態をある程度持続させるのが基本です。
伸ばす時間は20秒程度がいいと言われています。

⑤ 無理をせず、リラックスさせて伸ばしている部分を意識しましょう
無理をすると、筋肉を傷めることがありますので、はじめめから無理はしないようにしましょう。

⑥ 気付いたら、すぐに行うようにしましょう
朝起きてすぐ・食事前後・休憩時間・就寝前など、少しの時間でもいいので、気が付いたら行う癖をつけましょう。

⑦ 体調が悪いときは休みましょう
体調が悪いときに行うと、さらに体調を悪化させる原因につながります。
そんなときは、主治医の先生と相談してから行うようにしましょう。

 

4.まとめ
ストレッチは、一日の生活の中で習慣付けていくことが大切です。
はじめは、入浴後3分だけストレッチすることからはじめてみませんか。
そのときは、自分の身体を意識しながらストレッチしましょう。心地良い眠りにつながりますよ。

最後に、私のおすすめのストレッチを、一つだけ皆さんに紹介します。
それは、「ふくらはぎ」のストレッチです。
足のふくらはぎは、第2の心臓とも呼ばれ、身体に及ぼす効果がとても大きいところです。
ふくらはぎが緊張していると、身体は疲れやすく、腰や膝の痛みを訴え、冷えを生じ、寝つきが悪くなり、
血圧にも影響が出てくると言われています。
そこで、ストレッチの方法ですが

  1. 起立して足を前後に開きます。
    ふらつく方は、何かにつかまってください。
  2. 前の膝を曲げ、後ろの膝は伸ばします。
  3. 後ろの足のかかとをあげないようにして、身体を前に倒しながら後ろのふくらはぎを伸ばしていきます。
  4. 伸びている感覚を意識しながら20秒じっとしています。
    少し痛いくらいがちょうどいいです。
  5. 左右入れ替えて行ったら終わりです。

皆さん、是非毎日1回は行って、健康な生活につなげていってくださいね。

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