23.脊柱管狭窄症って
今回から脊柱に関わる疾患ということで、まずは脊柱管狭窄症です。
脊柱管狭窄症は、その名の通り、脊柱管の狭窄により、脊髄・馬尾神経が圧迫を受ける病態です。
脊柱管の中に脊髄がありますので、脊柱管が狭くなれば脊髄が圧迫されるのは理解できます。
脊髄は、およそ第2腰椎の高さで終わっています。
それ以下は、脊髄から出た末梢神経である脊髄神経根の束が馬尾です。
馬尾ももちろん圧迫されます。
脊柱管狭窄症は、中年過ぎの男性に多いです。
では、なぜ、狭窄がおこるのでしょうか?
先天性と後天性に分けることができます。
まずは先天性。椎弓根間距離短縮、椎弓・関節突起の肥厚などがあります。
後天性としては、退行性変化、椎間板ヘルニアに合併、脊椎辷り症、医原性、外傷性などがあります。。
ヘルニアや辷り症については、今後、学習していきます。
医原性とは、字の通り、医療を受けたことが原因で起こってくる病態です。
さて、症状です。
まずは、頚部脊柱管狭窄症の症状です。
両側性の手指のしびれ、運動障害が見られます。
歩行障害、そして下肢、体幹のしびれ、排尿障害も見られます。
次に腰部脊柱管狭窄症の症状です。
何といっても腰痛です。
もちろん坐骨神経痛も見られます。一側または両側の知覚異常を伴った下肢痛が見られます。
そして、特徴的な間欠跛行です。
これは、歩行時に疼痛が出現しますが、歩行を止めてかがみこんだり、前かがみで休むと軽快するものです。
まっすぐに立って休んだのでは軽快しないです。
つまり、腰椎前弯を減少させると回復することが特徴です。
逆に腰椎前弯を増強させると症状は増悪するのです。
診断については、画像診断が行われます。
X線検査で、椎弓、椎間関節の肥厚性変化、椎体後縁の骨棘形成、椎間腔の狭小、
椎弓根間距離の短縮、椎間孔の狭小などがみられます。
ミエログラフィーでは、両側性の造影カラムの圧迫がみられます。
最後に治療です。
まずは安静です。
腰椎屈曲位をとらせる軟性コルセットの使用を薦めます。
薬物療法として、鎮痛剤の投与が行われます。
必要に応じて、硬膜外ブロックや手術療法(広範囲椎弓切除術)が行われます。
以上です。
脊柱については、他にもたくさんありますので、頑張って配信します。
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